私はクラシック音楽を聴くのが好きです。でも、何を聴いてもかたっぱしから忘れていきます。聴いたあとに「今聴いていたのはいったい何だったっけ?」となることが多いです。自分が持っているCDでもそうなのですから、町中を歩いているときに耳にしたメロディーを記憶しておくこともできませんし、曲名を思い出すこともできません。メロリー自体はだいたい知っています。母がクラシック音楽CDのコレクターで、私が物心ついたときから、家では常にクラシックの音楽が流れていたため、たいていの曲は聴いたことがあるのです。しかしいずれも、いま聴いたものをすぐに忘れてしまって、それが誰の作曲したものなのかもよくわかりません。

私は小説を読むのも好きなのですが、小説にもクラシック音楽の曲名はよく出てきます。でも、頭の中にメロディーはぜんぜん流れてきません。「流れてきたら楽しいだろうなあ」と思いながら読んでいるのですが、まったく浮かんできません。曲名からメロディーが思い出せません。大変に残念です。最近のJPOPならすぐに浮かぶのです。でもクラシックは駄目です。何ででしょうか。どなたかご存じですか?

もっと勉強する必要があるのかもしれません。「これはバロック的」とか「これは古典派的」とか、ちゃんと勉強したらメロディーを聴いただけですぐにそういうのがピンときて、作曲家や曲の名前もスッと出てくるものなのかもしれません。私はベートーヴェンのシンフォニーでも、「運命」と「英雄」がごっちゃになったりする人なので、クラシック好きの人からは論外と思われるのかもしれませんし、勉強不足と思われるのかもしれません。でも勉強はしていると思うのです。音楽の勉強というのはともかく聴くことですよね。実際に物心ついたときからずっとクラシック音楽が流れている生活をしていたために、おそらく多くの人よりも「勉強している」のだと思います。でも、いくら聴いてもごっちゃになるのです。どういった勉強をすればごっちゃにならずに済むのでしょう。聴いているだけでは駄目なのでしょうか。

それからクラシック全般に「これが好き!」というのがありません。すこし聴いているとどんどんその曲が好きになってくるのですが、ずっと聴いているとそのうち飽きてきます。それでしばらく聴かないでいるうちにメロディーすら忘れてしまいます。どんな曲でも、何回も聴いているうちに「なんか好き」になってきて、しだいに熱狂し、さらに何度も聞いていると急に飽きてしまいます。いったん飽きてしまうとしばらく聴くことができません。舌鼓をうちながら食べていた極上のお肉がいきなり固くて味のないぱさぱさした物体になってしまったような。まるで恋人を取っ替え引っ替えしてる人みたいだなあと思います。そうだとすると、私はクラシック音楽のことが本当はあんまり好きじゃないのかもしれないという疑惑も出てきます。「誰でもいい」みたいな感じになってしまっているのは、やはりそんなに好きじゃないからということなのかもしれません。でも、心地よさはあるんですよね。気がついたら聴いています。料理するときも欠かせません。いったい何なんでしょうか。